フットケアと看護の融合が生む相乗効果

フットケアは、これまでリハビリといった回復期におけるサポートで活用されることがほとんどでした。しかし近年では、フットケアを看護に取り入れることの新たな相乗効果に注目が集まっています。

そもそも、これまでフットケアは看護においてあまり重視されていませんでした。しかしながら、昨今の超高齢社会の到来とともに風向きが変わり、病気に罹患する前の予防的措置としての導入が進んでいる現状があります。

看護にフットケアを組み合わせたケアは、まさに予防医学の進歩といっても過言ではありません。最近ではフットケアに特化した「フットケア外来」という診療科も聞かれるようになり、身体機能の回復はもちろん、一人ひとりの健康寿命を延ばす要素として医療で活かされています。

中には、フットケアは単なる足のケアであり、健康に直結するということに懐疑心を抱く方もいるかもしれません。実際、フットケアは運動の基盤である歩行機能を支えるものであり、総合的に見て、身体機能の向上に確実に寄与しているのです。

同時に、リハビリはもちろん高齢者向けの全般的な看護にフットケアを取り入れていくことは、患者さんのクオリティオブライフの向上に欠かせないことだといえます。

看護師は、単に病気を治癒させる手助けのみを求められるわけではありません。患者さんの健康を守り、快適な日常を支えることも大事な役目です。生涯の健康寿命の延ばし、患者さんの心身に良い影響を与えるフットケアは、今後もあらゆる看護の現場で導入が進んでいくことでしょう。